料理の基本。加熱することの大切さ。美味しさは科学ですね!
何故、カレーにあめ色の玉ねぎを入れると美味しいのか?
うちのスタッフとこのようなやり取りがありました。
「何故、玉ねぎなどの香味野菜をあめ色になるまで炒めるのか? そのまま煮込むのと何か違うのか?」
何となく体験上その方が美味しいから!?というのがありましたが、
以前に科学的な根拠があるという話を聞いたので簡単に分析・検証してみます。
まずは加熱を科学してみましょう。
加熱とは食品を加熱する際の熱の伝わり方は、「対流」「伝導」「放射 (輻射)」という3つの種類があります。実際の加熱ではこの
3種類が複雑に組み合わさって熱が伝わります。 熱は、高い温度のものから低い温度のものに移動します。
対流と伝導は接触するもの同士の間で熱が伝わり、対流は 水・油・空気などの流動体から固体へ熱が移動し、伝導は 固体間および固体内で熱が移動します。放射の場合は物体を 介して熱が伝わるのではなく、赤外線によって熱が伝わります。
野菜を加熱すると
加熱により野菜の細胞が崩れる現象がありますね。
ここが重要なところです。
さらに詳しく実験したサイトがあります。
カレーの玉ねぎの“あめ色化”をスピードアップさせる方法
カレーはいつでもおいしいですが、暑くなるとよりカレーが食べたくなります。
本格的なカレーを作ろうとすれば、「玉ねぎを炒める」という作業は必須でしょう。玉ねぎをあめ色になるまで炒めると、甘さと独特の香りが生まれます。
しかし、玉ねぎをしっかりとあめ色になる炒めるのはなかなか大変な作業です。
あめ色になる反応は、食品学や調理学において
超大切な「メイラード反応」です。
糖とアミノ酸が反応する反応で、褐色のメラノイジンや独特の香気成分が生じます。
メイラード反応のスタートの反応では、還元糖とアミノ酸が反応してシッフ塩基と呼ばれる化合物が生じます。そしてそのシッフ塩基がアマドリ転位を起こしアマドリ化合物となり、次の複雑な反応へと進んでいきます。
メイラード反応とは
結論。
ただ単に、煮込むだけでは独特な香味やコクと深みが生まれません。
水を媒介にすると100℃以上にはならないからです。
煮込む前に、炒める(鉄板の熱は火に近い所では220℃位まで上がると同時に食材に直接熱が伝わります)という工程を加えることで、100℃以上の加熱によりメイラード反応を起こし香味野菜に独特な風味とコク、旨味を生じさせることが出来るのです!
美味しい料理には手間と時間が必要ということです(^^)
これを踏まえてスパイシーな香味があり美味しそうな特別なルウが出来上がりました。
一晩寝かせて明日食べてみます!